地方銀行員のキャリアを最強にする複業(副業)|経済的自律で仕事のやりがいを最大化し、未来を自分で握る方法
1.地方銀行での仕事の「やりがい」と「理不尽」を両立させるキャリア戦略
地方銀行での仕事は、地域経済を動かす醍醐味があり、お客様との密な交流から人脈と金融知識を得られる恵まれた環境です。私自身、30年間勤めてきて、仕事の内容自体は非常に面白いと感じていました。
しかし、地方銀行員なら誰しもが抱える本音として
「地域のために働けている実感はある。ただ、『上のいうことは絶対』の封建的な雰囲気のなかで、『ノルマのための営業』といった本意ではない仕事をすると、やるせないな~」
という切ない感情が湧くこともあると思います。
地方銀行の職場には、古くからの封建的な慣習や体育会系の風土が残ることもあり、理不尽さを感じる瞬間があるのも事実です。
この厳しい環境で自分のキャリアを最大化し、仕事の面白さを追求して生き抜くために必要なのは、**「組織から精神的に自律していること」**です。精神的な自律とは、自分の仕事が自分の意思で選んだものだと納得できる状態です。
※過去ブログにて地方銀行の仕事の面白さを解説しています。地方銀行で働くときに参考にしてください。『【地方銀行の仕事のやりがい】地域経済を動かす醍醐味と人間的成長の秘訣』を参照ください。
2.組織に依存しない「自律型キャリア」の確立:殺生与奪の権を自分で握る
自律した精神を持つための鍵は、経済的な安定です。
理不尽な状況に直面したとき、「違うことは違う」と胸の内で思える状態、つまり、**「いつでも銀行を辞められる状態にあるが、仕事が面白いから働いている」**という環境を意図的に作ることが重要です。
これは、自分の人生に対する意思決定権を組織に握らせないということ。自分の「殺生与奪の権」を自分で握るのです。
銀行からの給与収入だけに依存していると、不本意な仕事でも受け入れざるを得なくなり、結果的に「静かな退職(最低限の仕事しかしなくなる)」というもったいない選択肢を選びかねません。
私たちは、銀行を辞めても収入が途絶えない状況、つまり**「自分本位で働ける環境」**を戦略的に作り出す必要があります。
3. 安定したキャリア形成に必須な「経済的防衛ライン」を築くことが必要
では、いつでも辞められる状態(経済的防衛ライン)を作るにはどうすれば良いでしょうか。
🔹給与天引きによる強制貯蓄
最も手っ取り早い方法は、給与天引きを活用することです。天引き貯金や自社持ち株会、あるいは今であれば積み立てNISAで運用してしまえば、残った手取りで生活する習慣がつき、意識せずして資産形成が可能です。
🔹パートナー(奥様)との共同リスクヘッジ
収入の額に関係なく、パートナーにも自分と同じような「働く感覚」を持ってもらい、お互いが、収入源を2つにすることができれば、強力なリスクヘッジになります。家族全体で収入源が複数あれば、家計全体のリスクは大幅に低減します。パートナー(奥様)が得意なことを仕事や事業にしてくれれば、将来的な広がりも期待できます。
4. 地方銀行員だからこそ実践すべき「複業(副業)」による市場価値の最大化
銀行からの給与収入以外に、月に2万円でも、3万円でも構いませんので、別の収入源を持つことが、あなたのキャリア戦略における最強の武器となります。
🔸複業がもたらす「系統の違うネットワーク」が未来のキャリアを創る
地方銀行の仕事だけに専念するのは、社会環境の変化が大きい時代にはリスクでしかありません。複業を始めることで、銀行では出会えない人たちとの新たなネットワーク(人脈)ができます。
この**「系統の違う複数のネットワーク」を持つことが、将来の転職・独立の可能性だけでなく、銀行内での新しい事業の企画や業務改善に役立ち、あなたの市場価値を飛躍的に高める**ことにつながるのです。
※過去ブログにて、地方銀行のネットワークを使うことの有利性を解説しています。『地方銀行での複利的ネットワーク(人脈)形成術』・『強力な地域ネットワークを活用する』をご参照ください。。
🔸リスク分散に最適な複業の「収益用不動産投資」
銀行員は職業柄、お客様の不動産投資のファイナンスをサポートすることが多いと思います。お客様の融資を通じて、不動産投資の知識を獲得しているので、収益用不動産投資を新たな収入源とすることはお勧めです。
物件価格の20%〜30%程度の頭金があれば、金融機関から融資を受けることができ、15年から20年かけて借入残高が減っていけば、家賃収入という不労所得が残ります。これは、あなたの知識と信用力を活かした複業で、経済的自律への一つの方法です。
5. 複業という武器で、地方銀行での仕事をより良く、より面白いキャリアに
AI導入やDX化が進む現代において、現場を持つ地方銀行の仕事は、地域経済を支えるうえでますます重要性を増しています。
経済的な安心と精神的な自律を獲得していれば、あなたは銀行の仕事に対して「怖いものなし」の状態になれます。
複業を通して得た外部の知見やネットワークは、銀行内での業務改革やキャリア形成にも役立ちます。プライベートと銀行の仕事の両方が相乗効果を生み出し、結果的に地方銀行でのキャリアと人生全体がより良いものになるはずです。
「経済的自律」を獲得して、仕事を通じて「外部ネットワーク」を活用することこそが、これからの地方銀行員ができる最強のキャリア形成になるはずです。
これから地方銀行に就職を考えている方、そして今まさに地方銀行で働く若い方々の、自律的なキャリア形成の参考になれば幸いです。
※過去ブログで、地方銀行の取り巻く環境からの働き方を解説したています。『10年後の地方銀行を想像して就職を考える』・『インフレ時代は社会が大きく変わる時代』を参照ください。
※過去ブログで、複業で得た外部の知見を「現場DX」に活かす考え方や、新しい「プロジェクト型業務」での働き方を解説しています。『【地方銀行の現場DXの処方箋】「電子化」で終わらない!収益と組織を変革する真のデジタル戦略』・『プロジェクト型業務という新しい働き方』を参照ください。
🗂藤堂敏明ブログ・カテゴリー別インデックス全31記事をテーマ別にまとめています。