【地方銀行の仕事のやりがい】地域経済を動かす醍醐味と人間的成長の秘訣

2025年01月18日

私の体験から語る|地方銀行で働く「やりがい」と「面白さ」

「本記事では、地方銀行で体験できる最大の『やりがい』、すなわち地域経済への貢献と人間的な成長を、私の経験を通じて具体的に解説します。」

究極の「人脈形成」:会いたい人と会える地方銀行の信用力

一つ目は、地方銀行は、地域の人達からの信頼があることと、地域の中で広いネットワークを持っていることで、いろいろな人と出会える可能性があります。いい方を変えると会いたい人と会えるのです。

もし自分が何か新しい企画をお客様としたいと思ったら、支店や本部の担当者に取り次いでもらって、直接会うことができます。好奇心をもってお客様と何かを企画したいと思えば、できるか出来ないかは別にして相談することができるのです。これは地方銀行がもっている信用力があるからだと思います。

地域経済を動かす「社会貢献」の醍醐味

二つ目は、資金(融資)を通して、地域経済に良い影響を与えることができることです。お客様への融資は新たな設備投資であったり新規事業であったりと、地域経済にインパクトを与えるもので、地域経済の血液として資金を提供するという、社会貢献度の高い仕事になります。

人生を豊かにする「お金のプロフェッショナル」への道

三つ目は、お金に関する様々な知識を勉強できることです。財務、税務、法務、経済知識、不動産、資金運用の方法等、お金にまつわることは、何かにつけて勉強する機会が非常に多いです。

お金に関する知識をつけることは、銀行内部の仕事だけではなく、自分自身の生活においても役立つ部分が多くあります。お金の知識があると物事の見方が俯瞰的になり、人生の選択において判断がより深くなり、自分自身の成長にも貢献してくれるはずです。

人間力を磨く!多様な地域での経験と自己成長できる

四つ目は、転勤が3年から5年に1度あることです。1カ所にとどまらずにいろいろな地域で仕事ができます。転勤した支店には、地域ごとに昔から紡がれた歴史があり、それぞれの風土や文化があります。そこに住む人たちの人柄も、それぞれ違います。転勤したその地域で、新しい地域の歴史や文化を学べ、さまざまな人柄に接する機会を得られることは、人間の幅を広げてくれて、自分自身の人間的な成長につながります。

【最大のやりがい】金融の枠を超えたパートナーシップと達成感

最後に一番大きい特徴が、お客様が新しい事業を起こしたり、新製品を開発して世に出していこうとする場面に融資(資金)を通じて、お客様のプロジェクトに立ち会えるという醍醐味です。お客様のプロジェクトに融資するということは、そのプロジェクトが成功するという確証をもって実行されなければなりません。

必然的に、経営者(お客様)と同じ目線か、それ以上の厳しい目でプロジェクトを精査するようになり、経営者との連帯感が生まれます。そしてプロジェクトが徐々に拡大し成功すると、大きな達成感を得られます。

このような融資を通じたお客様のサポートの達成感は、金融の枠を超えお客様との信頼関係を築き、自分自身の人間的な成長も促してくれます。

【体験談】サブからメインバンクへ!25年続いた信頼関係がもたらす達成感

私も様々なお客様と今まで関わりを持たせていただきました。25年前にとある地域の鉄鋼製品製造会社さんが印象的です。

当時その会社は、将来のことを考えて新しい事業分野の製品を作りたいというニーズがありました。そこで取り組んだのが、環境分野におけるリサイクル機械の製造でした。しかし新規事業分野なので、初めからそう上手く行くものでもありません。しかし新分野へのチャレンジを、こつこつとされていました。

私自身も環境分野というこれから伸びる分野へのチャレンジに対して可能性を感じて、社長から環境分野における業界のことや、機械の性能等についていろいろ教えていただきました。そして、今後どのように経営をしていけば良いかということを、社長と一緒に考えるような関係性になっていました。

新製品の売上拡大の為にいろいろと試行錯誤するうちに、金融の枠を超えたサポートもするようになったのです。国や県が出している環境分野の補助金や制度融資の仕組みを調べて、当社が受けられる補助金の調査や、申請のサポートをしていました。

また、リサイクル器機の販路拡大をサポートするために、プレスリリース等の記事の作成、サポート等もしていました。

そういった金融の枠を超えてサポートすることで、徐々に社長との信頼関係が深まり、私がそこの支店に在職している間に、我々の銀行は最初はサブ銀行の立場だったのが、転勤するころにはメインバンクの取引となっていたのです。

私が支店を転勤した後もその会社のことが気になり、おりに触れていろいろ相談を受けたり事業の状況を聞いたりと、そういう関係が長年続いておりました。

その会社は今では事業が拡大して高収益体質の企業となり、無借金経営までになりました。

その会社の社長(現在は会長)と出会ってから、25年以上のお付き合いとなりますが、いまだに普通に連絡を取り合える関係が続いております。このように自分が担当したお客様が、困り事を抱えていてサポートをすることで、その会社が良くなったり、事業が大きくなったりという事が、地方銀行の仕事をしていると普通にあります。

人間的な成長を体感できる仕事

そのようなサポートを行うことで経営が良くなったお客様は、その担当者のことを一生忘れない存在として認めてくれるのです。これはお客様の成長とともに、自分自身の成長にもつながるのです。このようなダイナミックな経験を何回も味わえることが地方銀行の良いところではないでしょうか。

またお客様との親密な関係性は、自分自身の財産にもなります。仕事だけのお付き合いで、転勤すればお客様との関係性もなくなるというでは面白くないのです。このような信頼関係で結ばれた客様が、何人も自分のネットワークの中にあるという事は、自分自身の人生にとって大きな財産なのです。

この人間的な成長一生涯の財産となる親密な関係性こそが、地方銀行で働く最大のやりがになると思うのです。

お金を扱うプロフェッショナルとして、地域とお客様の課題解決に貢献し、自己を成長させる。これこそが、地方銀行の仕事が持つ、計り知れない真のやりがいです。


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★著書:「地方銀行ノマド ~地域ネットワーク×WEBマーケティング~」  藤堂敏明