地方銀行のネットワークをセルフブランディングに使う
地方銀行員はいろいろな人に会える
地方銀行のネットワークは、地域の中で信頼・信用関係があることから、いろいろな人と会えるメリットがあります。人に会えるということは、その人が困っていることに接したり、その人のパーソナリティーや事業について直接見聞きすることができます。
銀行の仕事の中心は、お金を貸したり、コンサルティングの手数料をもらったり、運用性商品を販売したり、保険商品を売ったりということが主な仕事になっていると思います。この仕事を通じて様々な人と会えるチャンスがあります。銀行の仕事を通じて人と会えるチャンスを、自分自身のキャリアに活かすという発想をして欲しいのです。
地方銀行でも副業ができるようになった
今の地方銀行に入社してくる新入社員さんは、入社した銀行で一生働くという発想の人は少ないのではないでしょうか。ずっと同じ会社にしがみつく感覚では、自分自身のキャリアを積んで行くうえではチャンスを逃すことになる気がします。前向きにいろいろなものを貪欲に吸収して、自分自身のキャリアに活かして、銀行の外に出ても、自分の実力を発揮できるようにする必要があると思います。
地方銀行の立場からも、銀行の中で人材をずっと抱え込んでいくことに責任を持てないのではないでしょうか。このようなことから行員に自己責任として、副業を認めているという側面もあると思います。人材の評価としても、銀行の組織に依存して受け身で仕事をする社員よりも、銀行の外にネットワークを持って、いろいろな人と組んで新しいチャレンジをしている人の方が、行動力があったり知見が広かったりすることで、銀行のためになり評価されるのではないでしょうか。
地方銀行は人脈を築くチャンスがいっぱい
私の場合も銀行員時代に築いた人のつながりが無形の資産となっています。銀行を辞めてから感じることがあります。銀行勤務時代から、お客様や地域のためにとって何が良いのかということを考えて、銀行の業務とすり合わせながら仕事をしていました。そうすると銀行目線ではなく、お客様目線での仕事ができ、必然的にお客様からの信頼を得ることができるのです。1回の仕事のつながりだけでなく、その後もいろいろな形でそのお客様と仕事でも、プライベートでもつながることが多いのです。
地方銀行のネットワーク力を感じるのは、銀行を辞めているにも関わらず、今までつながりのあるお客様から、新しいお客様の紹介を頂いたり、困っている会社から助けてくれないかとか、プロジェクトを起こしたいのでどのようにしたら良いのかという、いろいろな相談を受けます。自分としては能動的に就職活動をしているわけでは無いのですが、地域の中で困りごとがたくさんあり、困っているお客様が大勢いて、その困りごとを通して銀行員時代に築いたネットワークからつながって、課題解決を通じて新しい仕事が起こってきます。
地方銀行の信頼ネットワークは凄い
銀行員の先輩としてお伝えできることは、地方銀行のネットワークは凄いということです。銀行を辞めても銀行の信頼・信用が生きていて、地域の人たちと自然とつながるという、他の会社ではありえないことがあります。私自身、銀行を辞めてはいるのですが、地域の困っている人たちを助けて、一緒に仕事をするという感覚では、銀行の勤務時代と、辞めてからでも同じ感覚で働けているので、やはり地方銀行のネットワークは凄いと思ってしまいます。
地方銀行のネットワークをセルフブランディングに活用する
地方銀行に勤めている人たちに伝えたいことは、現状では目の前の仕事がたくさんあり、どうしても仕事をこなすという、やっつけ仕事になってしまったり、ノルマ達成のための仕事になりがちだと思います。しかしその仕事の前提に、関わるお客様のためになる仕事をして、信頼を得るという発想を持って欲しいのです。
お客様からの信頼を得られれば、その信頼の点が自分の中でどんどん増えていき、今度はその信頼の点が将来のどこかでつながっていきます。そうすると地域の中にあるお客様の困り事が、自分が仲介することで、お客様同士で解決できるようになります。そしてその困り事を解決するプロセスは、実態として自分と客様のプロジェクトになります。そしてお客様とのプロジェクトである信頼ネットワークが広がることで、点から線にそして面となることで、個人としてのお客様からの信頼度がアップするということにつながるのです。
現在は目の前の仕事に忙殺されているかもしれませんが、今ある仕事を高所より見る目線を持って、お客様とネットワークでつながっていくという感覚をもってもらえると、お客様との何気ない仕事の会話や、提案の内容が変わってくると思います。地方銀行は地域ネットワークを活用できる有利な立場にあります。このネットワークと仕事を、セルフブランディングのために活用しない手はないのではないでしょうか。
個人的にネットワーク力がつけば、いつでも銀行を辞めることができます。実力がついてくれば、銀行内部での日常業務においても精神的な安心感につながり、目の前の仕事がより良くできるという相乗効果を産むと思います。是非そのような感覚で前向きに今の仕事を頑張っていただいて、お客様のため地域のため、所属する地方銀行のため、ひいては自分自身のために頑張っていただきたいと思っております。